• 映画を少しばかり外から眺めてみるそのカタチ
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    カテゴリ:雑記( 56 )
    少し変わった角度から『SAYURI』
    この前↓の記事にCorinが指摘していたように、多かれ少なかれいろいろと議論が絶えない映画となっているハリウッド製Geisha映画『SAYURI』ですね。英題はちなみに、原作通り『Memoirs of Geisha』で、原作のタイトルをそのまま日本市場にも使えなかったあたりにも今回の歪みがよく出ているのではないでしょうか。

    さて、議論を深めるという意味で今回は一つ映画の中の映像・テキスト以外、つまりオフスクリーンにあるものでビジュアル分析をしてみたいと思います。何故なら、日本のオフィシャルサイトと英語版サイトを見比べていたら、すごく鼻についたことがあったからです。それはサイトの表紙にある画像なんですけれど、まずは並べてみますのでご覧ください。一目瞭然なのですが、気がつかれるでしょうか、みなさん。上が日本で下が英語版です。
    e0039500_8595916.jpg

    e0039500_901061.jpg

    ヒントはチャン・ツィー扮する主人公SAYURIの姿というか、顔なんですが、どうでしょう。

    ひっぱりましたが、注目すべきは「目」です。ちなみに、私原作を読んでいないので定かではありませんが、映画の中のSAYURIは目が青いのです。つまり、かなり西洋的な要素ですよね。そして英語版ではまっすぐ見開いたSAYURIの目、これが相当支配的な画となっています。対して、日本版ではSAYURIはうつむいて目を伏せているために、その青い目が一切見えないようになっています。支配的なのはどちらかというと、顔よりも手だと思うのは私だけでしょうか。あと、非常に解説的です。漢字=象形文字ですからくどいほど意味を押し付けてきますし、上半身のショットなので相当情報が散在します。つまり、相当漠然と写るのです。うるさいともいいますが・・・(苦笑)

    だいたい大雑把に以上のことから、この映画を売る側がどういうプロモーションをしているのか、どのような情報操作を試みているのか、なんてことが垣間見れるのではないでしょうか。どう思いますか、みなさん!?あと、面白かったのはトレーラー、つまり宣伝用のコマーシャル映像なんですが、これまたその違いを比べると意外と面白かったです。興味のある方はこの画像と同じような視点にたって比べてみるのも良いのではないでしょうかね。もうしばらくこの映画を見にいく機会がなさそうなので、少しばかり事前研究してみました。
    Depper

    参照:
    Excite エキサイト : 現代シネマ倶楽部 SAYURI
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    by corin_depper | 2005-12-12 19:55 | 雑記
    『SAYURI』とチャン・ツィイー
    e0039500_45831100.jpg12月10日に、ハリウッド映画『SAYURI』の劇場公開が始まりました。この日、私も映画館に行ったのですが(友達との約束だったので『SAYURI』ではない映画を観ましたが…)、客入りは思ったより少なかったように思います。チケットカウンターでハリポタは「もうすぐ満席」のマークが出ているのに、『SAYURI』は「空席」。しかしながら、土日とあって家族連れが多いことを考慮すれば、週末の結果だけでなく、今後平日の動員数にも注目すべきでしょう。

    『SAYURI』で主役の日本人の芸者役を演じているのは、中国人女優のチャン・ツィイーです。彼女のキャスティングについては、日本でも結構賛否両論のようですね。『SAYURI』をすでにご覧になった方のブログでも、彼女が日本の芸者を演じたことについての違和感、もしくは賞賛、いろいろな意見が出ています。「欧米の観客にとってはチャン・ツィイーが中国人か日本人が区別できないから関係ない」「アジア人として、欧米でも知名度が高いチャン・ツィイーをキャスティングするのは妥当」等々ハリウッド側の思惑は明らかです。しかし、実際のところ、全部が全部の「欧米の観客にとってチャン・ツィイーが中国人だろうが日本人だろうが関係ない」わけではない。先日カナダ在住のイギリス人の友人からこんなメールが届きました。

    Have you heard about the controversy (already) over the upcoming film 'Memoirs of a Geisha'? Apparently Zhang Ziyi is getting heavily criticised by Chinese for playing a Japanese woman.

    (訳)もうすぐ公開の『SAYURI』をめぐる論争について聞いたことある?チャン・ツィイーってば中国人から日本人女性を演じたことで相当批判されてるらしいよ。
    この話を友人がどっから仕入れたかはわかりませんが(今度聞いてみます)、欧米人でも「チャン・ツィイーが日本人を演じたこと」についての議論は完全に無視されているわけではないのがわかります。このメールを読んで思い出したこと、これは映画学のクラスメートだった中国人の言葉でした。(会話だったので、そのまま日本語に訳します。)

    チャン・ツィイーって、中国ではバロメーターみたいな存在。彼女を毛嫌いする人はまだ共産主義の思想が強くて、伝統を重んじる人たち。彼女を好きだという人は、西洋とか他国の文化に関心があって、民主主義思想の傾向が強い。つまり、チャン・ツィイーは、中国人にとって、極度にアメリカナイズされ過ぎているように映るから、好き嫌いが激しく出るの。はっきり言って、彼女を嫌いという人のほうがマジョリティね。
    e0039500_522780.jpg今回の『SAYURI』出演で、またチャン・ツィイーは中国でもっと多くのファンを失ったかもしれない。中国だけでなく、反日思想のあるアジアでも、同じことが起きているかもしれないな、と思いました。

    『SAYURI』という映画が、映画として語られることって、すごくすごく、少ないのかもしれない。そして、チャン・ツィイーという女優が、女優として語られることも、すごくすごく、少ないのかもしれない。そんなことを思った『SAYURI』公開3日後でした(未見です…今週観ます、多分)。
    Corin

    公式:
    http://www.movies.co.jp/sayuri/(日本語)
    http://www.sonypictures.com/movies/memoirsofageisha/(英語)
    参照:
    http://www.imdb.com/title/tt0397535/(IMDb)
    Excite エキサイト : 芸能ニュース(この人物のオモテとウラ チャン・ツィイー)
    Excite エキサイト : 芸能ニュース(まもなく公開の米映画「SAYURI」に賛否両論の声)
    上映禁止:中国で「SAYURI」 反日感情悪化を懸念(毎日新聞)
    SAYURI上映禁止か 中国、テーマが敏感?(共同通信)
    ハリウッド映画「SAYURI」、中国での上映禁止(読売新聞)
    『SAYURI』中国大陸での上映禁止、台湾ではヒット(中国情報局)


    フィルム・アカデミア 『SAYURI』プロジェクト
    ↓是非お立ち寄りください。読めば『SAYURI』が見えてくる!!!!?
    『SAYURI』レビューのアーカイブと分類('05/12/10)
    『SAYURI』とチャン・ツィイー('05/12/12)
    少し変わった角度から『SAYURI』('05/12/12)
    やっと『SAYURI』('06/01/04)
    改めてある視点から『SAYURI』('06/01/11)
    オープニングに見る『SAYURI』('06/01/17)

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    by Corin_Depper | 2005-12-12 05:05 | 雑記
    『SAYURI』レビューのアーカイブと分類
    e0039500_8474464.jpgOnce upon a time in Japan.... ということでして、もはや映画『SAYURI/Memoirs of Geisha』のプロジェクト化の様相を呈してきたフィルムアカデミアなんですけども、すこしばかりアンテナを伸ばして、上がっているレビューを日本語・英語問わずに眺めてみたんですが・・・、いや~もはや祭りと化してますね、いわゆる一般の観客のコメントレベルまで追っかけてみると(笑) ある意味この映画は非常に意味のある映画なのではないだろうか、というのが徐々に確信に変わりつつもあります。

    e0039500_848025.jpg個人的にレビューってものは大抵3つ
    ポジティブニュートラルネガティブ
    に分類できると思うので、今回は拾ってきたレビューを少し分類してみようかと思います。いわゆる「日本語」「英語圏」でも分類してみようかと思います。どういった構造が見えてくるのか、徐々に見えてくるであろうそれが楽しみです。

    一つその前に、ニュースを。ある情報筋の話ですが、アメリカでは権威あるレビュー団体である「The National Board of Review」という非営利映画レビュー専門団体があるのですが、そこで「今年の映画10本」の中に『SAYURI/Memoirs of Geisha』を入れることが決定したようです。更に、コン・リーには助演女優賞が贈られることが決まったようです。まだ正式発表には至っていませんが、ネガティブなレビューが多い中、これは後々効いてくると思います。
    e0039500_8481626.jpg

    では、節目がちに行ってみましょう。以下↓が分類になります。いわゆる個人レベルのものは避け、それなりの権威と体裁、メディア力のあるもののみ取り上げます。以下↓の分類チャートに無いもので、何かお勧めレビューがありましたら、ポジティブ・ネガティブ問わず教えて頂けるとありがたいです。これから見つけては足そうとは思っていますが。。(キネマ旬報辺り気になるところですが。) また分類の基準は私の一切の裁量で行いますのであしからず・・・(汗) 議論は歓迎ですが、苦情・中傷等は一切お断りしますので、これまたあしからず。。。
    ポジティブ
    シネマスクランブル(J)
    FACE(J)

    ニュートラル
    Eiga.com(J)
    Variety(E)

    ネガティブ
    New York Times(E)
    Flipside(E)
    Japan Times(E)(未掲載)
    The Village Voice(E)

    Depper



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    by corin_depper | 2005-12-10 08:49 | 雑記
    日本のジャンル映画研究:アーロン・ジェロー氏の見解
    現在、いわゆる日本人(日本生まれ日本育ち)ではない映画学者・批評家で、日本映画を語る上で最も無視できない人物といえばこの第一線にてその発言権を更に増すアーロン・ジェロー(Aaron Gerow)氏なわけなんですが(ドナルド・リチー氏と主張される方もいるかと思います)、今回、日本映画学術会に対して核心に迫る発言をされ、個人的に100%賛同するので紹介したいと思います。少し堅苦しい話になるかもしれませんが、あしからず(滝汗)

    まず引用です。
    e0039500_8131672.jpg“One issue that concerns me is why Japanese and foreign film critics/researchers so often focus on the "critically acclaimed" pink films, or use auteurist arguments to justify focusing on pink cinema. If one wants to make a large cultural argument about the status of pink cinema in Japan, one would think it necessary not to look at the exceptional films, but rather the average ones without all the cachet. This is still a problem with studies of Japanese film genres like anime, horror or action: the tendency to still use rather old notions of film art and auteurism to look at genre films, thus ignoring the entire problem of popular genre. Then there's the problem that those who avoid that trap tend to fall into another one: studying genre film through a purely reductionist model that reduces every film to some socio-political or psycho-cultural pattern, thus utterly ignoring what's particularly cinematic about them (much written on recent Japanese horror film falls into this trap). How do we weave our way between these two traps? ”


    元々はピンク映画関連の話だったので少しそれがかぶりますが・・・簡単にざっと訳しますと、
    “私が懸念することの一つに、なぜ日本の映画批評家・研究者たちはいつも「批評的に(既に欧米の研究者によって発見され、研究され)賞賛された」ピンク映画のみ、もしくは正当化のために作家論を用いて焦点を当てるのか、というのがある。もし誰か日本のピンク映画の情勢について文化的議論をしたいのであれば、ピンク映画を特別な映画であると見なさず、むしろ雑念無しに一般的な映画としてみる必要があるだろう。これは、ホラー、アニメ、アクションといった日本映画のジャンル研究にも当てはまる問題である。つまり、既成の古ぼけた作家論や映画芸術論を未だに援用し続ける傾向にあり、ゆえに大衆ジャンル映画における諸問題を全て無視してしまう結果に陥っている。更に、これを避けようとした者たちが陥りやすい罠もまた存在する。ジャンル映画を純粋に還元主義(Reductionism)的見地・手法で研究をし、その全てを社会政治的・心理文化的議論形態へと押し込めてしまう。ゆえに、明らかに特別に映画的な研究が手落ちになってしまうのだ(実際、近年の日本ホラー映画に対して書かれた物の多くが陥っている問題である)。「我々(欧米)」の(映画学研究)手法がこの二つの障害をすり抜けるためにはどうしたら良いのだろうか。”(訳:Depper)

    「還元主義」について:
    ある領域における言明や概念を、より基本的とみなされる別の領域の言明や概念に翻訳するプログラムや手順、また過度の単純化。(出典:ランダムハウス英語辞典)

    (参考)膨大なデータからひとつの推察にたどりつくために、偏差を整理しながら近づいていく方法の有効性は還元主義に基づいている。還元主義は自然科学に於ける有効な方法論であったが、還元主義による手法では理解し難い対象も存在するという事が分かり出してから、現在は否定的な論調で扱われる事が多くなった。其の為、複雑系の考え方が発展した。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
    ということです。多少主観的意訳と行間の穴埋めもあるかと思いますが、あしからず。

    これを読んだときに思わず自室の中心で「その通り!!」と叫びたくなったのは言うまでもないのだけれども、、、日本映画学術会が映画研究においてどうしても(旧弊の)作家論や芸術論に依存してしまうという傾向は無いとは決して言わせないし、それがどれだけ映画の学問的発達を阻害してしまっているかを知らないとも言わせたくない。特に、ジェロー氏の最後の一文は、昨今私が感じている焦燥感を見事に言い当てている。つまり、西洋式の映画研究手法で研究を重ねてきた者(氏にとって「我々」となる)にとって、その障害を潜り抜けて培ってきた手法・知識を日本の地で実践するのは非常に難しいと思われるからだ。なぜなら、もう一つの障害を敢えて個人的に付け加えるとすれば、それは映画をどこがいかにどのように映画的なのかという至って映画学的にオーソドックスな見地で研究するという行為は得てして日本においては「くだらない」と見下され、「あり得ない」」と突き放されてしまうからだ。

    何年も日本に住み、日本の大学でも教鞭をとり、批評・研究を重ねて確固たる地位と名声を手に入れたジェロー氏が未だにそう感じているということは、ある種のペシミスティックな驚きとその結果としての虚無感を感じずにはいられなかったと同時に、もしかしたら欧米的映画研究(手法)と日本的なそれとは相容れないものなのではないだろうか、という疑念も沸く。そして、自分は非常に曖昧な場所に立っていることに気がつかされる・・・
    Depper

    参照:アーロン・ジェロー氏プロフィール
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    by corin_depper | 2005-12-06 08:49 | 雑記
    映画の選定/色々煮詰まるの巻
    この前の帰国した際に、大変お世話になっている出版社のFA社に打ち合わせを兼ねて挨拶に行ったのですが、企画的な話の流れの中で、とりあえず20本くらい映画の選定をお手伝いすることになったのですが。。。条件というか、これがまた中々難しく・・・(滝汗)

    ここ2、3年の日米(英)映画で全国(世界規模でも)で公開されているような映画で、更にどこかの映画祭に出品されたり映画賞を受賞したり、つまり認知度が高い映画。しかーし(ここが肝心)、まだ批評的にあまり手垢のついていない作品、もしくは興行と評価が合致していないような作品。必ずしも全て満たしている必要もなく、基準が曖昧といえば曖昧なのですが。。。小難しい学術的作品分析でもなく、かといって巷に溢れるような作品評でもなく、その橋渡し的な形の書き物を想定しているようです、が。。。日本に居て肌で感じているわけではないのでいまひとつピンとこないんですよねぇ。ってなことであっという間に日にちばかりが経ってしまい、焦りの色が。。。いつも訪れてくれている方から通りすがりの方々まで、何かオススメがあったらぜひ教えてくださいっ。

    例) 『ミリオンダラー・ベイビー』
       『サイドウェイ』
       『たそがれ清兵衛』
       『ラストサムライ』
       『誰も知らない』
       『ロストイントランスレーション』



    ということでしてね、いろんなものに追われ、いろんなものに煮詰まり、そして師走はそこまで。それにしても、今年のイギリスは寒すぎです。皆さんも一度経県値を調べてみてはいかがでしょう。
    Depper的経県値109
    e0039500_18213547.jpg

    参照:http://www.geocities.jp/karasugawahekiheki/keiken-map.html
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    by corin_depper | 2005-11-29 19:00 | 雑記
    編集、ローラ・マルヴィ女史、そして映画学
    たまにはレビューやニュースから離れて少し実体験を含めてブログタイトルにあるようにアカデミックな小話をしてみようかと思います。珍しく日記風です。キーワードは
    「編集」「ローラ・マルヴィ女史」「映画学」
    です。

    e0039500_65681.jpgただいま共同戦線異状なしということで、相互支援ブログ、タカさんの映画学メモで編集とソビエトで発達したその古典的理論についての記事が書かれていますが、編集という要素は映画というメディアにとって切っても切り離せない、言ってしまえば編集という作業は映像・音声に命を吹き込んで映画にする、と言ってもあながち過言ではないと思います。つまり、映画にとって編集は非常に大きな意味を持ち、与え、映画足りえる重要な構成要素の一つです。最近では、巷では「映像作家」なんて言葉が映画監督に対して無節操に使われていますが、監督、脚本はもちろんのこと、編集に携わり、その支配なくば「作家」とみなす、もしくはその映画に一貫した「作家性」を見出すことは非常にナンセンスなものになってしまうのです。

    e0039500_7115882.jpg先日、私イギリスを離れ日本へ1週間ほど一時帰国をしてきました。主要な帰国目的の一つで某大学(近年映画学コースを飛躍的に拡充している大学です)で行われた「映画とジェンダー」という名の下に行われた学術発表並びにシンポジウムへ参加することでした。なぜわざわざ日本まで参加しに行ったかと申しますと、理由は主に3つでございまして、一つは自分が映画研究者としてジェンダーという視点は非常に大事な懐刀であるということ、二つ目はそのシンポの発表者たちの面々がここイギリスでも中々お目にかかれないメンバーだったこと、何より映画ジェンダー分析の母ローラ・マルヴィ女史(写真右)が発表をされるということがなによりのキーポイントでした。そして最後の目的は、日本の映画学術会とのコネクション作りでした。結果として大きな満足と悲しい驚きがあったということでしょうか。

    それはシンポ後の懇親会での出来事でした。以前一度自分の所属大学へマルヴィ女史が講演に来ていたことや、以前彼女がうちの大学で教鞭をとっていたことなど等、私と共通点があることや用意されていたワインも手伝って話が弾みました。(講演の時は直接会話をしなかったので社交辞令かもしれませんが、)彼女は言いました。

    Yes, I remember you.
    そして、私の研究分野が現代映画で北野映画も研究対象にしていることやちょうど『Takeshis'』を追っていたことなどから、北野武監督についての話になりました。彼女は言いました。

    He is a very cinematic director, isn't he?

    もちろん私の返答は「Yes, definitely」です。つまり、とっても映画的な監督=映画(という媒体)を良く知っている監督ということです。そういう場合、Filmmaker(フィルムメーカー)という単語を使ったりもしますね。さて、今回の新作が非常に編集に比重が置かれていたことなどをまだ未見のマルヴィ女史に伝えると、(もともと欧米では北野映画の編集は突出したスタイルとされていますが)マルヴィ女史は『Hana-Bi』『ソナチネ』を見ただけだそうですが、北野映画にとって編集は北野映画を構成する上で突出した要素であることを見抜いていました。(ちなみに彼女は映画監督でもあり、映画技術とそれが創り出す意味について深く研究されています) 

    たった一言とキーワード一つで瞬く間に多くを共有できる、これは一にも二にも「映画学」という分野の中で興味や研究手法は違えど、いわゆる同じ釜の飯を食べてるようなものとでも言いましょうか、「映画学」は国境を越えた学問分野だなぁ~なんて少し感慨を覚えていた矢先に、会場運営をした某大学の映画学教授Y氏(著名な方です)が話しに割って入ってきました。彼と言葉を交わすことも一つの楽しみにしていたことなので、Very Welcomeだったのですが、彼との会話、これが非常に悲しい驚きとなってしまったのでしが。彼は突然言いました。

    北野武って監督は、映画を小馬鹿にしてて好きじゃないなぁ。なにより、彼は監督というよりはひたすらプラモデルをいじり回すようなただの編集屋だね。
    ・・・。

    その後も彼はしゃべり続けました。編集の話をしていたのですが、結論として、彼がそこで主張したかったことは以下。

    ①日本で北野映画などの現代映画を純粋なアカデミックな学術研究主体とすることが問題外
    ②イギリスで日本人が日本人監督の映画を研究対象としていることが理解不能

    e0039500_8214934.jpgマルヴィ女史もお口あんぐり・・・、そしてこの二つの主張が相矛盾していることは言うまでもないんですが、日本の映画学のこれからをまだまだ引っ張っていかなければいけない立場のお方の発言としては寂しい発言というか・・・、日本の映画学の底が浅いのか、欧米のそれとは異質なのか、これでは当分日本映画は日本人ではなく海外の学者さんたちの手よってこれまでのように研究され、世界に発信されていくのだなぁと少し暗い気持ちにすらなりました。そして、マルヴィ女史には非常に興味深く評価された後だけに、こういう世界に自分はいずれ帰ってこようと思ってるのかと思ったら少し吐き気すら・・・(苦笑)ある種持ち帰って話すにはよい土産話になってしまいました。

    「映画学」が国境を越えた学問分野なのではなくて、自分が国境を越えただけなのかな、なんてことを考えながら一路滞在先ホテルまで帰りました。これからまだまだ未発達の日本の映画学はどこへいってしまうのでしょうか、どうなってしまうのでしょうか、10年後、20年後に退廃していないといいのですがね。がんばれ「映画学」、そしてがんばれ「自分」!
    Depper

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    by corin_depper | 2005-11-21 08:36 | 雑記
    映画占い
    こんな時期に丸々1週間も自宅を離れたために、帰ってきたらやらねばならぬことの山積みに萎え、さらにmyPCを開いた瞬間にウイルス感染。以前にも一度かなり蝕まれたのが原因らしく、もう修復しようもないところまで来てしまい、負けた気分でドライブごとリカバリー。いきなり知らない家に連れてこられたかのような気分で途方にくれてネットを彷徨っていたら面白い占いに出会ったのでご紹介。(他にいろいろ書きたいことがあるのだけれど・・・)

    その名も“映画占い”

    さっそくやってみましたら、当方↓のような結果がでました。
    e0039500_2122796.jpg
    結構気分はファンタジーなので一度やってみはいかがでしょう。
    Depper

    参照:
    http://www.horae.dti.ne.jp/~shine/eiga/
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    by corin_depper | 2005-11-19 02:13 | 雑記
    帰国、そして・・・
    e0039500_9582872.jpg先日、1週間の日程を終えてどうにかこうにかまた英国へ戻ってまいりました。忙しかった中にも、逆カルチャーショック等もあり、自分は帰国しているのか、それとも旅行中なのか、祖国恋しと言えどもこちらの自宅へ帰ってきてほっとしているところもあります。ようやく日本で時差ぼけがとれてきた頃に帰ってきたのでまた時差ぼけです・・・Or2 日本での出来事も踏まえつつ、またぼちぼちと記事をエントリーしていきたいと思います。
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    by Corin_Depper | 2005-11-17 10:04 | 雑記
    日本

    e0039500_21421993.jpg急遽というか、バタバタと明日日本へ一時帰国をすることになりました。1週間強を予定していますが、友人披露宴・学会・商談と忙しい日程になりそうです。もしかしたらその間全くブログを更新する機会がないかもしれないので、いつも来てくださっている方々にご報告をと思いまして。。。折角なので、時間さえあればこちらイギリスでは見れない邦画をいくつか見てこようかと思っていますが、チョイスに困りそう(苦笑)日本は暑いのかな・・・?
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    by Corin_Depper | 2005-11-07 21:55 | 雑記
    遅ればせながらバトン。
    PC不調(未だ完調せず)で知らないうちにephaさんに指名されていたバトンを受けてみました。大変遅ればせで申し訳ないのですがね。バトン初体験なので一応オーソドックスに、わかりやすくを目標に・・・にしても結構微妙な問い多し!
    Q1. あなたは賑やかな人と大人しい人どっちですか?
    Q2. あなたの性格に相応しい単語を5つ挙げてください
    Q3. 好きな友達のタイプは?
    Q4. 嫌いな友達のタイプは?
    Q5. 立ち直りは早いほうですか?
    Q6. 恋人にしたいタイプは?
    Q7. 恋人と親友,選ぶならどっち?
    Q8. バトンを廻す人5人を選んでください


    A1. 基本は大人しく。
    A2. 犬/石橋/不動/二番/映画
    A3. 前向き自律型
    A4. 後ろ向き直情攻撃型
    A5. 余り凹まないほうですが、一度凹むと引きずりガチ。
    A6. 前向き自律型
    A7. 一寸の迷い無く、親友
    A8. これは一応スルーしますが、受け取りたい方いたら受け取ってください。

    Depper

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    by Corin_Depper | 2005-10-28 14:55 | 雑記