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    カテゴリ:レビューと考察( 47 )
    ヘップワースの『不思議の国のアリス』とYoutube
    e0039500_2331282.jpgフィルムアカデミアの相互支援ブログ「映画学メモ」のTakaさんから頂いた情報ですが、アメリカでチャップリンあればイギリスでヘップワースありと言われた(個人的に勝手に呼んでます・・・)英国人映画監督セシル・ヘップワースのとても初期の作品で最初の映像化と言われる『不思議の国のアリス(1903年)』が、Youtubeで鑑賞できるというものです。

    e0039500_2333711.jpgセシル・ヘップワースと言えば犬が誘拐犯を追跡してとらわれた子供を助ける活躍をする『Rescued by Rover(1905年)』が非常に有名で、物理的に離れた場所2点を交互に編集で繋ぐインターカットのプロトタイプ手法としても教科書に出てくるような映画ですね。それよりも以前のヘップワースの蔵出し映像が手軽にネットで見れてしまうという時代になってきたわけですね。もちろん、Youtubeのような存在自体は毀誉褒貶なわけで、非常に難しい問題も含んでいるわけですが、事実ネット上で鑑賞可能な状態である以上、見れてしまうという時代なわけですよ。将来は諸々の知的財産・著作的問題が解消されて、ネットの映像アーカイブをクリック一つで操作しながら映画学の授業・講義が行われるなんてこともそれほど遠くないのかもしれません。

    この映像はBritish Film Institute(BFI)がアーカイブしているものをBBC TVがコメントを入れて再アーカイブするという非常にイギリス的手法で構成されており、その辺も一見の価値ありだと思います。ただ保存するだけでなく、目的に合わせて知識を付与もしくは再度編集をするというスタイルは一朝一夕には確立できませんし、誰にでもできるわけではありませんが、これから映像研究にはそういうアーカイブが必要になってくるでしょうし、そういう意味でもこういうアーカイブ映像に触れるというのは有意義ですよね。

    ヘップワース、アーカイブ映像、その諸問題を一気に触れるよい機会だったので記事にしてみました。興味のある方は見てみてはいかがでしょーか。(英語ですが)映画・監督の詳細を知りたい人は下記のリンクへ飛んでみるといいかもしれません。
    Depper


    参考:
    http://www.screenonline.org.uk/film/id/974410/index.html
    『Alice in Wonderland (1903)』

    http://www.screenonline.org.uk/people/id/450004/index.html
    Hepworth, Cecil (1874-1953)

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    by corin_depper | 2006-06-28 02:31 | レビューと考察
    『雲のむこう、約束の場所』-時間イメージ
    ここのところアニメ関連ばかりですが、今回はアニメ映画のレビューです。タイトルは記事タイトルにあるとおり、『雲のむこう、約束の場所』という句読点付きのタイトルです。
    e0039500_8511559.jpg

    この映画は中々見所満載でした。いつもだったら分野柄物語構造に眼がいく習性があるのですが、今回その思考を停止させられてしまうほどにイメージ・映像に意識を持って行かれてしまいました。そのくらい画のインパクトが強い作品ですね。

    何がって、これもタイトルに付随させましたが、「時間イメージ」と勝手に名づけました。実写もしくは肉眼ではこうは絶対に映らないような空間(常に奥行きがすごい)とシュールと片付けてしまうのは簡単ですが、その奥行き(ディープフォーカスなんてもんじゃないほどの)と構図・アングルと非常に幻想的な世界を作っています。もちろん物語の設定も時代と空間が私達の現実世界のそれとはまた異なるわけですがね。特に奥行きが距離を生み出してその距離が時間というセンス、観念、意識を生み出します。実写で言えばカメラが固定されているにも関わらず、そこに流れる時間というものが非常に前面に現れるわけです。よって「時間イメージ」と名づけました。貼り付けた画像を見てもらえば判りますが、線路や電車が隠れた(隠れてないかも)モチーフになっていて、未来主義的な様式も見え隠れ(隠れてないかも)でした。挙げだすとキリがなさそうなのでこの辺にしておきますが、これらに関連する研究をしている人には面白そうな材料なのだろうなぁと思うのと同時に、もう少し専門的な議論をすこし掘り出してみたくなりました。中々こういうイニシエーションを与えてくれる作品は少ないですね。
    e0039500_9385.jpg

    このアニメ映画と監督については(編集・脚本・監督とこなしているようで、作家と呼ぶべきかな)全く予備知識がありませんでしたが、それがまたインパクトを強めたようです。たまには、雑念・雑音なく作品に触れてみるのもいいものですね~。最後に「終」と出すあたり、作品が独立した世界と物語(いわゆるフィクション)という古くさい手法で終わる辺りも中々「粋」で、作り手の意思がどんどん伝わってきた作品でした。アニメの表現幅やその力を再確認させてもらいました。ごちそうさまでした。

    と、うれしい驚きをもってレビューとしたところで今日はこれにておしまい。
    Depper

    参照:
    『雲のむこう、約束の場所』公式HP(音注意)
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    by corin_depper | 2006-05-22 09:13 | レビューと考察
    『Ae Fond Kiss…(やさしくキスをして)』―『My Big Fat Greek Wedding』のアンチテーゼ
    すごくすごく、また自己紹介から始めないといけないくらい、お久しぶりです。Corinです。ちょっとしばらく東京砂漠で迷子になっておりましてですね…。まあ、それはいいとして、今日は『Ae Fond Kiss(やさしくキスして)』というケン・ローチ監督の作品にめぐり逢う機会があったので、レビューです。ミニ・シアター系での配給作品ということで、あまり有名ではないかもしれませんので、まずは簡単に物語の説明を。
    e0039500_2141712.jpg

    舞台は英国スコットランドの都市、グラスゴー。パキスタン系一家の長男のカシムと白人のアイルランド系の女性ロシーンという恋人が、人種や宗教という問題に直面しながらお互いの関係を築き上げていく物語です。

    人種や宗教の違う者同士が惹かれあい、恋をする物語というのはよく見られます。最近の代表的な例が『My Big Fat Greek Wedding』や『Bride and Prejudice』でしょう。『Ae Fond Kiss…(やさしくキスをして)』の場合の対立構造を見ると、以下のとおり。

    人種: パキスタン系(黒)アイルランド系(白)
    宗教: イスラム教カトリック
    家族: 両親と姉妹孤独

    そして、重要なのがこれ。
    性別: 

    『My Big Fat Greek Wedding』や『Bride and Prejudice』では主人公である女性たちが持つ「有色人種」、「移民」、「非キリスト教徒」といった属性を、この『Ae Fond Kiss…(やさしくキスをして)』では男性の、しかも一家の一人息子である主人公が担っているのです。

    この設定が物語をとおして映し出すもの、それは「逃避できない現実」です。『My Big Fat Greek Wedding』や『Bride and Prejudice』では、上に挙げたような対立構造の友好的融合、寛容な理解によってハッピーエンドがもたらされるわけですが、『Ae Fond Kiss…(やさしくキスをして)』ではそれらは起こり得ません。一緒になろうとすればカシムは家族を失い、ロシーンは仕事を失う。逆に、カシムが家族を守り、ロシーンが仕事を取れば、二人は別れるしかない。カシムとロシーンが一緒になり、カシムの家族の名誉も守られ、ロシーンも学校を辞めさせられずに済む、そんな選択肢はあり得ないのです。

    最後に二人が出した結末は、一緒になり、犠牲を生むことでした。カシムとロシーンは二人一緒にいられることになっても、カシムの家族はバラバラになり、パキスタン系ソサイエティーから「不名誉」の烙印を押され、カシムの姉の婚約も破談に。ロシーンもカトリックの学校を辞めさせられ、無宗教の学校へ。その両方がはっきりと映し出されるため、物語の終わりはハッピーエンドでもなく、バッドエンドでもない。ただ、それは、常に変わりゆく世界のなかで、誰もが遭遇しうる、逃げることのできない「現実」なのではないでしょうか。

    新しいものが出来るときには、古いものは壊されなければならない。それは良くも悪くもなく、人類の発展の過程のなかで実に自然で普遍的なことであり、それをギュッと凝縮したものをケン・ローチは作ったんだなぁ、という感じでした。古いしがらみに苦しんでいる方は、是非ご覧あれ。
    Corin


    公式:
    http://www.aefondkissmovie.co.uk/(工事中ですが一応…)
    http://www.bimfilm.com/unbacioappassionato/
    参照:
    http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=322287
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    by corin_depper | 2006-05-01 02:26 | レビューと考察
    NHKアニメ『プラネテス』
    e0039500_0552067.jpgさてさて、NHKアニメ続きます。今回は「モーニング」(講談社)で連載された幸村誠原作のNHKアニメ『プラネテス』。物語の設定が西暦2075年、場所は宇宙、仕事は宇宙ゴミ(デブリ)回収。この設定は面白いな、と思いながら見始めました。率直な感想としましては、

    前半キツ過ぎ!というか、
    五月蝿すぎ!


    ということで、もうね、鉄拳パンチしたい感じでして・・・。だもので、最初の何話かを消化した時点で正直萎えました(苦笑)主人公のお二人のやりとりが五月蝿くて・・・現実だったら間違いなく敬遠するであろうやり取りが延々なもので、前半は休みながら頑張って見たという感じでした。それでも後半はおとなしく?なったので快調に見進めましたが。

    設定は現代の社会情勢をエキストリームな形で提示するための装置でありました。非常に開発学的な視点が多く見受けられましたね。それはさておき、資本主義社会の膿みたいな部分でしょうか、それが時代を進めることでしたたかに極限?飽和?状態と設定できるので、テーマを浮き出たせるには納得の設定でした。

    その中で、主人公の二人?男女が大人になっていく?現実を直視消化できるようになっていく?という過程が加わるので、アニメの中で描かれえる人類のグローバリズムの過程と重なって物語は人個人と人類社会の二重構造となっていて、最終的にレシピとしては悪くないなと、少なくとも焦点がわかりやすい。

    まぁ紆余曲折を経まして、最終的にこのアニメが行き着く最終解決的提示は、人の繋がり、その最小単位としての家族の確認、ともはやどんな理屈を付けようと止まることのない資本主義にもとづく人類のグローバル化というところを落としどころとするわけですが、なーんかこれはどこかの国をまさに象徴しているような感じだなと思わざるを得ませんでした。しかし、ある意味落としどころとしては妥当なのかなとも思いましたが。落とさない、混沌のまま終わる、という手もあったはずですが、どうでしょう。

    前半は個人的に鑑賞がきつくて、このまま設定負けな展開になったらどうしましょ、と思いましたが、最終的にはまとまった作りになっていました。消化不良はありませんが、もう少し未知の味を食したかったなぁと、今回は最後まで物語の設定にえもいえぬ期待感だけが残った鑑賞でした。
    Depper

    参考:
    NHKアニメワールド『プラネテス』
    『プラネテス』オフィシャルサイト
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    by corin_depper | 2006-04-28 01:26 | レビューと考察
    NHKアニメ『ツバサクロニクル』
    e0039500_817961.jpg昨夜捨て鉢気味にNHKアニメ
    『ツバサクロニクル』

    のDVDを見ました。結局30話分全て勢いでいっきに見てしまったわけですが、なかなかどうしてよく出来ているなぁと感心させられまして、画的には苦手な部類なのですが思いがけず楽しんで見れました。

    よく「どんな研究をしているか?」との問いに二言で答えられるようにと言われますが、このアニメの構造を二言、いや、一言で言うならば、

    水戸黄門とドラエモンの合わせ技一本!

    というところでしょうか。もちろん、NHK教育テレビ的説法はコテコテ健在なので少し五月蝿く感じますが、それもこの物語構造に支えられて多くのテーマを限られたエピソードの中で無理なくスムーズに表現できていたように思います。実際話の中で水戸黄門が引き合いに出される場面があるのですが、制作側の人たちも水戸黄門を意識していたのかなと思い、偶然の産物じゃなくて企画として練られた構造なのだなと思わされました。ポケモン様式のエピソードから入る辺りもターゲット視聴者が鮮明に出ていてよいなぁと思いましたね。制作側の意図と努力がひしひしと伝わってきて作品としてよく仕上がってました。親子一緒の鑑賞にも耐えられる出来ではないでしょうかね。これから少しNHKアニメにアンテナを張っておこうと思った昨晩の出来事でした。
    Depper

    参考:
    http://www3.nhk.or.jp/anime/tsubasa/
    (第二シリーズも始まってるようですね)
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    by corin_depper | 2006-04-23 08:36 | レビューと考察
    『ナルニア国物語』DVDレビュー
    e0039500_2001360.jpg先日イギリスではDVDが出て、思いのほか新作としては安かったので購入してみました『ナルニア国物語』。日本では封切5週目にしていまだ好評上映中なようです。興行収入も50億を越えたらしく、少なくともヒットと呼べるようになったのではないでしょうか。ただし、100億円は越えない予想らしいので、大ヒットとはいかない模様ですね。成績的には『指輪物語』くらいということでしょうか。一見毎週興行成績トップとのことですが、以前の記事にも書きましたが、これはディズニーの苦肉の策と言いましょうか、ライバル映画の少ない時期を狙って封切りを遅らせたことが功を奏していると言えるのではないでしょうか。

    と、まあ、映画の外のお話はこれくらいにしまして、せっかくやっと鑑賞をしたので、中身についての話をしたいと思います。とはいえ、まだ見終わった直後なので、見ていて気が付いたことなどを徒然と。

    まず、良くも悪くもディズニー映画となっている点について。死などのネガティブな描写や暴力的な表現に非常に縛られてしまっているのが目に付きます。映画の中で明確に死を描写する画は全く出てきませんし、出てきてたとしても覆りますね。その辺はすごく宗教的な臭いもして、少しばかり食傷気味にもなりましたが。ビジュアル的なスペクタクルや快楽となるべき戦闘シーンも執拗に暴力的な表現を避けるので、ややストレスを感じざるを得ませんでした。レーティングを上げたくないディズニーポリシーの苦しいところだとは理解しますがね。『ライオンキング』の方がよっぽど暴力的でしたし、多少の雑音は覚悟してもう少し踏み込んむ余地もあるように思えます。この辺は観客がどう感じるのだろうかと少し興味があります。
    e0039500_19192055.jpg

    そして次に、技術的な表現について。CGイメージを非常に多用しなければならない映画であるわけですが、余りクオリティが高い出来とは映りませんでした。比べる対象としては、『ハリーポッター』シリーズや『指輪物語』シリーズなどですが、実写部分とCGイメージの部分との融合が非常に荒く見えて気になってしょうがなかったのは私だけでしょうか。その一因として、カメラワークが挙げられると思います。実写ではなかなか困難な動きをさせてしまえるのがCGの特性の一つだと思いますが、これが余り生かされていないというか、引いた壮大なエスタブリッシュショットや自然発生させるには難しい造形の躍動感があまり見られないために、消化不良気味に感じられました。この辺はディズニーはまだまだCG映像スペクタクル表現の面で洗練されていないなぁと感じたわけですが、まぁこれも視覚的エンターテイメントを求めればの話ですが。
    e0039500_19342485.jpg

    最後にディズニー的な要素がうまく構成されていた点について。まずは主人公たちが複数なことと兄弟であることでしょうかん。正確には末娘が主人公として適格であるわけですが。兄弟であるがために、非常に幅のあるジェネレーションに対してアピールできる点です。両親から引き離される恐怖とそこに生まれるファンタシーを前提に、擬似ではなく兄弟家族という構成は維持され、下は幼児、上は思春期を終える年代までカバーすることで、家族のつながりは強調されるとともに、それぞれのジェネレーションが感情移入をしやすい主人公が存在するわけです。ただし、親がわりとなるような存在が見当たらないので、保護者となるべき世代が子供たちと一緒に見るには少し物足りないかもしれません。そこは子供の世代幅がカバーするのかもしれませんが。この4兄弟というのは非常に大きな機能を果たしているなぁと思いました。もう一つは、現実世界とファンタシーの世界とを隔てる装置がはっきりとしているために、その行き来は新鮮に映りましたし、いきなりファンタシーの世界から始まるわけではないので、世界観を掴みやすく、またファンタシー性がより色濃く出るものだなと思いました。
    e0039500_19162760.jpg

    見終わって、率直な感想は、末娘の表情の豊かさに驚かされたのとファンタシー映画としてのダイナミズムが物足りないなぁということでした。原作を知らないのでなんとも言えない部分もありますが、プロットとしての因果関係や登場人物の動機や心象描写が薄いので、元々ある話の筋を凝縮できずに表現しきれない部分があったのではと推測したくなりますね。と、久しぶりに主観的なレビューをしたところで、今回はオシマイ。
    Depper

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    by corin_depper | 2006-04-09 20:03 | レビューと考察
    Un Certain Regard:『義経』とうつぼ
    勢いで始めた大河ドラマ『義経』のレビューと考察「Un Certain Regard」シリーズですが、今回第3回目で一応終結ということにしたいと思います。ということで、今回は女性の登場人物、とくに上戸彩扮する「うつぼ」役に焦点を当てて分析してみたいと思います。
    e0039500_9155676.jpg

    彼女の役柄はまず何より、主人公義経という人物を一番長きにわたって見守る女性ということです。母常盤よりも、相思相愛の静よりもです。彼女は幼馴染みという肩書きによって義経が北の大地で散るその数刻前まで義経のそばにいるわけです。ゆえに、存在感は回を増すごとに増すわけですが。

    少し読み方のアングルを変えると、うつぼは義経の周りに女性役が居ないときに穴埋めとなっているという点です。たとえば、母から離れたとき、義経の周りにはうつぼが居ます。そして平泉へ行ったときもまず来ます。そして静と義経が今生の別れをした後にもまた義経のそばに来ます。ここに、戦略的なうつぼという役柄の機能が明確に表れていると考えます。それは女性視聴者への配慮、言い換えれば、そもそも男くさい義経とゆかいな仲間たちの話がメインプロットなので、メジャーな女性登場人物が登場しない場合はうつぼを登場させることによって、女性視聴者が感情移入の場を失わないようにし、50週弱と長いドラマを集中切らすことなく見れるようにすることで最終的に視聴率の沈みを減らそうという戦略でしょう。(どこまでそれが功を奏したかはまた別問題として)
    e0039500_9493251.jpg

    そしてもう一つ大事なうつぼの機能とは、その身分と現代人のアイデンティティを反映しているところにあると思います。ドラマが行われる当時は現代とは違って、身分、なるものが存在します。そこにまたドラマがあるわけですが。うつぼの場合、いわゆる親なしの(血統もわからない)身の上で、社会的なバックグラウンドも持ち合わせておらず、ドラマの中では非常にアイデンティティが浮いた役柄なわけです。つまりそれは、我々がその時代にひょいっと舞い降りた状況とすごく類似するわけです。いわゆる歴史の流れ(つまりドラマの流れ)の中ではnobodyである(誰でもない)わけです。例えば、(私も含めて)歴史にうとい視聴者にとっては格好の「目もしくはガイド」となってくれる役と言えましょう。ここにも戦略の臭いがしますね。
    e0039500_9501981.jpg

    そして更に、彼女のそういう存在は他の女性人物をも引き立てる役割を果たします。うつぼがいなければ、石原ひとみ演じる静の役柄とその役割はがらっと変わっていたはずです。うつぼがいるために、白拍子である静は、うつぼよりはよっぽどましな社会的地位にあることがはっきりします。しかし、正室の萌の登場によって静もまた義経とは釣り合わない身分であることがわかり、義経との恋は叶わぬ儚い恋、という構図になるわけです。そして兄によって女郎屋に売られたうつぼとその彼女の想いを幾度と無くあからさまに拒絶をする義経によって、静は逆にそういう意味で非常に汚れを知らない神聖化された存在に映ります。そしてこれまた汚れを知らずか知ってか、いいように歴史によって流されてしまう純情一途な義経とカップリングされることで、あたかも和製「ロミオとジュリエット」であるかのようにみせる効果を生んだ気がします。
    e0039500_9495160.jpg

    最後に、全体を通してみて、うつぼはジェンダー的にも役柄的にも一番悲劇のヒロインだったのではないでしょうか。そしてある種一番Othersだったのではないでしょうか。この構図は義経が辿る悲劇のヒーローとどこへ行ってもOthersであることとシンクロしませんか。親にも捨てられ、兄にも裏切られ、ようやく嫁に行ったと思えば、夫に死に別れ、ますます義経と役柄の構造が一緒ではないですか。しかしながら、同時に対照的でもあります。限りなく現代用語に近い口調で、「そんなのおかしいよ」と平気で義経にダメを出す、「女一人で生きていかなきゃいけないんだ」とか、一昔前の田嶋陽子フェミニズムに毒されてしまった女性たちのような台詞をのたまう。義経が強い絆で結ばれた仲間たちに囲まれてどこまでも夢を追いかけて散っていくその姿と、孤独なまま厳しい現実を次々と突きつけられてあきらめていくその姿は非常に対照的であると思いました。ここにある種、義経というキャラクターがもつアンチテーゼのような機能を果たすうつぼもいるように思いますが、どうでしょう。このうつぼという登場人物が今回のドラマのオリジナリティを非常に高めていると言えます。

    大河ドラマ『義経』はうつぼの物語であったと言えるのではないでしょうか・・・
    e0039500_1062497.jpg

    あまりうまく纏められませんでしたが、大河ドラマ『義経』に関する「Un Certain Regard」は今回で終結ということにしたいと思います。ということで、それでは、みなさま、またどこかでお会いしましょう。
    あぁ、日本の桜が見たい・・・遠きかな、祖国よ・・・
    Depper

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    by corin_depper | 2006-04-05 10:18 | レビューと考察
    Un Certain Regard:『義経』と現代人アイデンティティ
    平家滅びて後、これまで平家方京の都旧体制と源氏方鎌倉新武家体制という対立の片棒を今度は義経が背負うことになるわけです。元々京の人としてのアイデンティティを持っている義経は法王様の操り人形となってしまうことは理屈上にも史実上にも仕方の無いことなのだが、うまーく平清盛のアイデンティティを引き継ぐ形となった義経は旧体制となりつつある公家社会構造をそのままに桃源郷を夢見るわけである。これが中盤以降の根本的な物語構造である。

    ここで一つ考えて見なければならない問いがある。

    それは、果たしてこのドラマを観る側である私たちは義経にどこまで思い入れ、共感を持ってみることができるだろうか、ということである。

    e0039500_8355144.jpg言うまでも無く、義経の兄源頼朝は現代社会でも手本とされるような理論家・政治家であることは周知の通りであり、このドラマで描かれているその人物像もいかにも大事と小事とを私利私欲をうまく殺しつつ合理的な最終解決を見出す能力を存分に発揮するわけで、我々現代人がいわゆるノウハウとしていることを淡々とこなす姿にとかくやきもきすることはないように思う。

    e0039500_836318.jpg一方で義経は対照的に非論理的で政治的な才能は全く無いもしくはいたって稚拙であり、権力も兵力もないまま平然と桃源郷を夢見るそのエネルギーはあきれるほど強い。ドラマの中では「理」の頼朝「情」の義経という対象的位置関係を嫌というほど刷り込もうとするわけだが、血縁というアイデンティティにすがることができなかった義経は、当時の時代の趨勢に逆行する旧社会と体制の中に桃源郷を夢見てそこに自らのアイデンティティの拠り所とし、そのアイデンティティの矛盾と脆弱性を朗等たちのほとんど精神的ホモにも近い絆に酔うことで目隠しをする。ゆえに、観ている私たちは少なからずそこに苛立たされるように思う。

    基本的に時代劇の世界は旧社会であり、その旧社会や体制を当時の当たり前のものとして私たちは理解し受け取らない限り中々物語り上のドラマを積極的に消化するのは難しい。そして近年、現代の時代劇の特徴として、主人公に現代人である我々のアイデンティティを付与することで私たちは自動的に主人公へ視点を同化させようとするわけである。さあらば、もう一度問うべきは、主人公義経に私たちは現代人のアイデンティティを見、共感することができるのかどうか、である。

    そこに正解はないように思われる。家族・血縁・情を討ち捨てそこに基盤を求めぬ頼朝、そして全くその逆を行く義経、旧きを壊し新しい体制を築くことに熱意を燃やす頼朝、そしてここでもまた逆を行く義経、システムに重きをおく頼朝、人とのコネクションに重きをおく義経。ここは、もはや見る方々一人一人の判断するところなのだろう。逆に、ここにこの大河ドラマ『義経』の見所の一つになっているように思えさせするところだ。

    そして、今回最後に、昨今の時代劇とそこに映される観念的ナショナリズム・ノスタルジーの構造が日本の北に求められるところから見ても『義経』もまたその流れを汲んでいると見受けられる。最終的に義経は奥州平泉に最後の桃源郷、よき日本を見る、この流れから眺めると、義経もまた主人公として少なからず現代人のアイデンティティを反映しているのかもしれない。
    Depper

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    by corin_depper | 2006-03-27 08:39 | レビューと考察
    Un Certain Regard:大河ドラマ『義経』
    今更かという声もありますが、少しばかり以前の大河ドラマ『義経』について考察してみようかと。それもこれも、先日あるところから全編DVD入手となったからで、現在15話を見終わったあたりでございます。そこでここまでで気になったことを少し書き残そうかと思った次第でして。壮大なボリュームである大河を分析するメスの一つになるのかなと思われる視点で、ある視点からシリーズにしてみようと思います。そんなわけで

    Un Certain Regard

    という冠で書いてみたいと思います。
    e0039500_651521.jpg

    今回のUn Certain Regardは
    「義経のハイブリッド性とアイデンティティ」
    といったところでしょうか。

    つまり、義経の物語の根底にあるもの、そのヒーロー性と表裏一体の悲運・悲哀・悲劇にあることは明白なのですが、それを何が支えているのかと考えてみたときに、いかに義経の拠り所とするアイデンティティが細く、そしてハイブリッドであるかということが今回の大河ドラマではよく見て取れる作りになっているということ。

    いわゆる、血筋、家柄、公家や武士、身分、こういったものがその人物の大きなアイデンティティになるのがこの時代の人であるわけですが、義経の場合、このどれをとっても細い。そして常に板ばさみ。ここに全ての物語のペーソスが凝縮されるのかなと見受けられますし、それが強調された作りになっていますね。

    血筋・家柄ともに嫡流ではないですし、
    西の京都がいわゆる故郷としながら東の鎌倉より攻め入る立場、
    血筋・家柄のアイデンティティにすがれば自らの父代わり清盛に刃を向ける構造、
    つまり、父親代わり平清盛と実兄源頼朝との板ばさみ
    男・マスキュリニティを育てるその父親像も二転三転、
    旧公家体勢と新武家封建社会の狭間の立場
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    つまり、どこにいても彼は主流になれないのである。言い換えれば、どこに居ても彼は「Others」になってしまうのだ。そして更なる悲劇のお膳立てはそのカリスマ。あっという間に揺れてしまうそのアイデンティティがそうさせるのか否かはまた別の話かもしれないが、そんな義経に人は集まり、ある者は慕い、あるものは妬む。それによってまた義経はアイデンティティ戦争をしなければならないのだ。

    これまで多くに親しまれて来た「義経」という物語が持つドラマを引き立てる要素の一つである義経のハイブリッドなアイデンティティをうまく話しに載せて描いているのではないかと思わせる大河ドラマ『義経』の前半であったわけです。強いて言うとカメラワークと編集が少しばかり淡白なのでドラマの抑揚を阻害している感が否めませんが(予算やスケジュールに起因するところも多いでしょうが)、これからにまだまだ期待を持たせる作りとなっています。

    と、今回はここまで。
    まだいくつか目に付いた点があるのでまた書き留められればと思います。

    それにしても桜は相当意識して使われてますね。
    Depper

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    by corin_depper | 2006-03-25 06:45 | レビューと考察
    『ゲト戦記』公開予告編映像
    まいど相変わらずでございますが、皆様いかがお過ごしですか。
    e0039500_212792.jpg

    というわけでして、毎度おなじみではございますが、今回もまたプレリリース研究を少しばかり。スタジオジブリ最新作にして、宮崎吾朗初監督作品、今夏劇場公開予定である『ゲト戦記』の予告編が公開されたようで、其の映像がネット上に流れたので見てみたわけです。ちなみに、副題でしょうか、英題でしょうか、間違いなく海外公開を睨んででしょうが、英語で『Tales from Earthsea』という冠付きですね。また今回も原作があるようです。

    この予告編を見た限りの話になりますが、監督は誰であれ、映像的に非常に初期の雰囲気が出てますし、初期の頃のようなファンタシーがあるように思われます。がしかし、予告編内に挿入されているテキストが五月蝿いように、非常に最近の作品群に見られるようなお説教的なヒューマニズム色も濃そうです。その辺は宮崎駿氏の齢によるところだと踏んでいましたが、吾朗氏が汲んだのか、影響されたのか、はたまた彼の影響だったのか、定かではありませんがね。その辺を踏まえて予告編を見た限りでは、ビジュアル・テキスト両者から鑑みて『風の谷のナウシカ』と『もののけ姫』を足して2で割った感じに見えますね。現実性と非現実性の逆転現象的なところを見ると、『ハウルの動く城』のような部分も色濃く継承されてるのかな、そんなことを言っていると、この作品は案外これまでの宮崎アニメの凝縮といいますか、その結晶といいますか、集大成的といいますか、そういう形でもつくられているのかなとも思わされました。

    そして、もう少し大きな枠で見ると、世代交代作品という位置づけになるのでしょうね。そして、これからは宮崎駿アニメという枠はほぼイコールジブリアニメとしてしまうと、語弊が出てくるようになることを自覚すべきだなぁと思いました。ディズニーアニメというように、やはりこれからはジブリアニメという枠でしょうかね。

    まだ未見な人はぜひご覧あれ。
    (って、日本国内に居る人は日常的に見てる映像?!)
    Depper

    参照:
    http://www.youtube.com/watch?v=V3utVygCCYI
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    by corin_depper | 2006-03-04 21:17 | レビューと考察