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『グリズリーマン』(2005年)とドキュメンタリー
2006年 07月 06日
商業映画として成り立ってしまった『皇帝ペンギン』と相成らんで昨年2005年度のドキュメンタリー風映画の数少ない優秀な作品ですね。アカデミー賞ではノミネートさえされませんでしたが、各地の映画祭で数々の賞を受賞もしていますね。・・・とまぁ、前置きはさておいて、久々に簡単ですが思いつくままにレビューをしてみようかと思います。
ドキュメンタリー風としましたが、そもそもこの作品がどこまで、果たして、ドキュメンタリーとしてカテゴライズ出来るかどうかというのがそもそもの焦点となってしまうでしょうね、この作品。もしかしたら、アカデミー賞のドキュメンタリー部門にノミネートされなかった理由はそこにあるのかもしれません。個人的にはドキュメンタリーは決して商業映画内の概念として確立されてきた「ジャンル」という枠組みには与さないものであると考えています。つまりどこまでがこの映画がドキュメンタリーと呼べるであろうかを追求することが映画を解体分析する第一歩のような気がしますね。とはいえ、それ自体相当手間隙かかる論題になってしまいますが。。。 と、シリアスな議論はさておき、この映画が非常に突出している部分として、構成自体がドキュメンタリーということに関して疑問を投げかけているということです。つむぎ合わされたティモシーの映像群は果たして誰のための映像であったのでしょうか。グリズリーの生態を追ったものなのでしょうか、ティモシーがいかにクマを愛し、触れ合ってきたかをキャプチャーしたものなのでしょうか。ティモシーの映像と近親者のインタビューで構成される映画自体が何かの「真実」を提示しているのでしょうか。そこには、確かな「真実」があるのでしょうか。それ自体に疑問符をなげかける構造になっていたことに新鮮な印象を受けました。 ティモシーが最終的に保護し、愛しているというグリズリーに襲われて死を迎えたという衝撃的事実が我々の念頭におかれます。そして映画自体もその事実から出発します。そのこと自体が非常に力強いドライブフォースになっているのも、多くの観客を引きつけたのだと合点します。 映像に話を戻すと、ティモシーは一つの場面の撮影に数多くのテイクを撮っていることがわかります。そこには必ず彼自身が居て、彼がその時点その場所での思いのたけをわめき散らしたり、淡々と解説してみたり、と多くのテイクを撮っています。更には、実際には一人ではないのですが、他の人がカメラに入らないように念を押している場面の映像も組み込まれています。そこで、話はまた戻りますが、果たしてティモシーは何のためにそのような映像を撮り続けたのでしょうか。この辺りは、昨今のドキュメンタリーにおける諸問題を改めて突きつけているように見えました。 すこし漠然とした話をしますと、タイトルにもなっているように、グリズリーマンと呼ばれるティモシーの「Slice of Life」、つまりグリズリーの生息地ですごした彼自身の生活の一片一片を日記のように繋ぎ合わせたように見受けられます。ゆえにタイトルは「グリズリー」ではなく「クマ男」なわけです。誰の物語かといえば、グリズリーやその生態、彼らの生活の断片ではなく、ティモシーの物語なわけです。そしてその彼の物語の最終解決、つまりフィナーレは彼自身の死であるわけです。この物語性と判然としない「リアリティ」、「アクチュアリティ」と言うべきかもしれませんが、その両者の存在が強いために、純粋な意味でドキュメンタリーとは中々呼べない作品だなと思うわけです。 仮にその物語を読んだとき、一つの筋が見えますね。彼は人間という文明社会から来た部外者としてヒグマの生息地に降り立ち、そこで人間社会の権化たる彼の中に住み着いた心の膿をさらけ出し、13年の夏を経て、そこにあるグリズリー社会の自然へと回帰していく様でしょう。そして最終的に彼はグリズリーにとって「エサ」となり、弱肉強食の食物連鎖の一部としてその地の土と還ったのです。さて、これは悲劇でしょうか、それともそこに映るものは「劇」ではなく、「ひとつの事実」でしかないのでしょうか。それが問題です。 商業映画の中でこの作品と捉えたとき、この作品はドキュメンタリーというジャンルとカテゴライズされるかもしれません。ドキュメンタリー風の映画として一つのジャンルと見ることは可能でしょうし、この作品を通して、映画というもの自体が持つ二文法、「リアリズムとフォーマリズム」という根本的で判然としない問題へ再度考えさせられるのでした。そういう意味では優秀な作品と私は位置づけたいと思います。 Depper 参照: http://www.grizzlymanmovie.com/grizzly.html(HP)
by corin_depper
| 2006-07-06 00:58
| レビューと考察
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