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オープニングに見る『SAYURI』
2006年 01月 17日
A story like mine... has never been told....ということでね、様々な意味で話題の映画『SAYURI』ですが、前回の考察からまたもうひとつ踏み込んで書いてみたいと思います。
前回は「視線」「見る・見られる」という点でこの映画を見るといろいろと見えてくるものがある、というところから始まり、 芸者が全ての男の視線・ファンタジーを一手に集めるため存在(a object of every man's fantasy)であると映画の中でもナレーションで語られるように、最終的に、この映画は映画として「西洋人の西洋人による西洋人のための映画」というところまで書きました。つまり、元々日本人にアピールするために作られてないということがよくわかるわけです。 極端に表わすと、↑→という構図ですね。。。(苦笑) というところを踏まえた上で、今回の本題に入りたいと思います。 まず、言語の機能から入りたいと思いますが、基本的にこの映画の台詞は「英語」で行われます。なぜって、原作が英語ですしね、製作もアメリカですし、個人的にはそれが普通の流れかなと思います。原作は未読ですが、映画内の台詞はほぼ原作通りになっているということですし、これを日本語に訳した台詞となるとまた映画の情報と意味合いが変わってきますね。原作との比較考証はまた別の切り口なのでこの辺で。 次に、もう少し映画的な話をしますと、注目すべきは映画のオープニングシーンだと思います。典型ハリウッド映画は往々にしてそうなのですが、最初の10分にこの映画の全てのエッセンスが詰まってるといってもいいのではないでしょうか。 映画の始まりはすごく暗くオドロオドロしい映像で始まります。一瞬ホラーかと思うくらい(苦笑)。『市民ケーン』のオープニングを思わせましたね。そしていきなりチヨの「覗きの視点」で私たちはチヨの父と瀕死の母という切羽詰った状況を突如目の当たりにするわけです。そしてわけもわからず売られていってしまうわけですが。。。解説的な説明もなく突然始まるこの状況は少なからず観客にある種の混乱と驚きを与えるはずです。特に西洋人に対しては。なぜならここは日本語台詞で行われるからです(原作はもちろん英語ですが)。さらに、話によれば、字幕が出ないらしいのです(日本国外で見た方はご報告お待ちしてます!)。つまり、日本語が理解出来なければこのオープニングはさらにわけがわからない状態ということになりますね。 そして観客が唯一頼れるのはチヨの視点での映像のみ。 多少話しがそれますが、このチヨの一人称視点に頼るという構図は、ある種一人称視点ゲームと同じ効果を持たせているのかな、なんてことも頭をよぎりました。ドキドキ感増幅です。 さて、チヨが売られてきてからも、「チヨが見たもの=観客が見れるもの」という構図は続きます。つまり、エスタブリッシュショット(位置関係を把握するショット)がないわけで、ある種の典型ハリウッドのルールブレイク(型破り)ということだと言えるでしょう。私たち観客はその町の全景や位置関係をかなり後まで知ることができずにここでもチヨの視線に頼りっぱなしという状況に置かれます。そしてチヨの顔のアップで彼女の目は青いという画を散々みさせられるのです。もう徹底してますね。 ↑チヨは上を見て下を見てのショットばかりですが、多くの情報は得られません。この視点に同化させられるしかない(特に西洋人の)観客はまさに「LOST!」という感覚ではないでしょうか。この辺はぜひ日本人以外の人に聞いてみたいところですね。そして(映画を通して一貫してですが)チヨがいかに狭い空間(社会)に閉じ込められているかという↓のような比喩的な(教科書的)ショットは嫌というほど出てきます。 そして、ある時観客にひとつのリデンプション(救済)的なショットが与えられます。これもチヨが見て初めて見れるのですけどね。それが以下↓ このショットまでがこの映画(物語)の序曲(もしくは前奏部分)だと言えますね。ここから世界がガラッと空間的に広がるのです。↑のシーンもある意味そうですが、チヨいくつもトンネルを抜ける度に物語は次のステージに行くのです。以下↓のシーンは彼女が「見る・覗く」存在から「見られる・覗かれる」存在、つまり芸者になるという意思の発露が見られます。それは得てして会長さんへの恋心という動機付けがあるわけですけどね。男性が出てくる=チヨの覗く役目は終わり、次は覗かれる・見られる芸者になりなさい、ということですね。 映画冒頭の日本人にしてみたら「そうなの?」と思ってしまうようなナレーションa story like mine... has never been told....(私のような物語は語られたことがない)というのもそうですけど、この映画のオープニングを「視線」に注目して見るだけでも、いかにこの映画が「西洋人の西洋人による西洋人のための映画」として作られているというのがわかるかと思いますが、どうでしょう。 おまけ ↑「鏡」ショットも結構多く出てきて、どぎついですが、いかにチヨがGeishaサユリという仮面をかぶっていて、その幻影的な姿が鏡に反射されているのか、という意味を押し付けてきますね。徹底しているといえばそれまでですが、このあたりの徹底ぶりはGeishaという存在に疎い西洋人観客向けなのではないかな、と思うわけでした。 Depper 参考: 華の宴*Life at Night* ↑舞妓、芸妓を経験した方のブログで、大変勉強になりましたー。
by corin_depper
| 2006-01-17 00:16
| レビューと考察
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